暴落のとき、私は何をしたか【2024年8月・2025年関税ショックの売買記録を全公開】
- 17 Jul, 2026
目次
2024年8月5日。日経平均が1日で4,451円安(−12.4%)という、過去最大の下げ幅を記録した日です。
SNSは阿鼻叫喚、ニュースは「ブラックマンデー超え」の見出し。含み益が音を立てて消えていく——そんな日に自分が何をするか、暴落が来る前に考えたことはあるでしょうか。
私はこの日を含めて、2024年8月の急落・2025年4月のトランプ関税ショック・2026年の中東情勢の悪化と、3回の暴落局面を通ってきました。この記事では、そのとき私が実際に何をしたか(何をしなかったか)を、証券口座の約定記録ベースで公開します。
先に断っておくと、これは「暴落時に買えば儲かる」という話ではありません。下がっている最中に買うのは、毎回怖いです。それでも行動を決めておけたのはなぜか、まで含めて書きます。
結論:やることは2つだけ決めてあった
私の暴落時のルールはシンプルです。
| 資産 | 暴落時にやること |
|---|---|
| インデックス投資信託(NISA) | 何もしない。売らない・積立額も変えない |
| 高配当株 | むしろ買い増す。財務優良な銘柄を割安で仕込む機会と捉える |
インデックスは「何もしない」が仕事、高配当株は「動く」が仕事——同じ暴落でも、資産の役割によって取る行動を分けています。この使い分けはポートフォリオの考え方で書いたとおりです。
以下、3回の暴落で実際にどうだったかです。
実録①:2024年8月5日(日経−12.4%)——J-REITとNTTを買った
歴史的暴落の日、私が買ったのはJ-REIT、NTT、そしてispace(保有銘柄で唯一のベンチャー・宝くじ枠)でした。
かっこよく聞こえるかもしれませんが、実態は地味です。当時は仕事が忙しく、株価をゆっくり見る時間すらありませんでした。昼休みに「大きく下がっている」ことだけ確認して、以前から「下がったら買い足したい」と思っていた銘柄に注文を入れた——それだけです。
そして、これが結果的に良かったと思っています。張り付いて値動きを見ていたら、たぶん怖くなっていました。数週間後に口座を見たら、いつの間にか戻っていた。暴落の渦中で感じる恐怖の大半は、画面を見ている時間に比例するのかもしれません。
実録②:2025年4月・トランプ関税ショック——底の1週間で9銘柄・約34万円
2025年4月2日にアメリカが「相互関税」を発表し、世界同時株安になりました。日経平均は4月7日に1日で2,644円安。このときの私の約定記録がこちらです。
| 約定日 | 銘柄 | 購入単価 |
|---|---|---|
| 4/7 | あいホールディングス | 1,838円 |
| 4/7 | 東ソー | 1,818円・1,813円(2回) |
| 4/7 | 本田技研 | 1,222円 |
| 4/7 | 三菱商事 | 2,384円 |
| 4/7 | MS&AD | 2,596円 |
| 4/7 | NTT | 139.1円 |
| 4/7 | 学究社 | 2,011円 |
| 4/8・4/9 | 三菱ケミカルグループ | 637円・612円 |
| 4/10 | セントケア・ホールディング | 747円 |
底になった4月7日を中心に、1週間で9銘柄・合計約34万円を買い増しました。銘柄はどれも、普段からウォッチしている財務優良な高配当株です。暴落時に新しい銘柄を探したのではなく、「いつか安く買いたい」と決めてあったリストを、安くなった日に淡々と買っただけです。
その後どうなったか(2026年7月16日終値ベース)
| 銘柄 | 購入単価 | 現在株価 | 騰落 |
|---|---|---|---|
| あいホールディングス | 1,838円 | 2,704円 | +47% |
| 東ソー | 平均1,816円 | 2,764.5円 | +52% |
| 本田技研 | 1,222円 | 1,558.5円 | +28% |
| 三菱商事 | 2,384円 | 4,530円 | +90% |
| MS&AD | 2,596円 | 4,553円 | +75% |
| NTT | 139.1円 | 150.9円 | +8% |
| 学究社 | 2,011円 | 2,553円 | +27% |
| 三菱ケミカルグループ | 平均630円 | 1,202.5円 | +91% |
| セントケア・ホールディング | 747円 | (MBOで上場廃止・TOB価格1,220円) | +63% |
単純な株価比較の概算で、約34万円の買い増し分は約1.5倍(+55%前後)に相当します。セントケアはその後MBO(経営陣による買収)が発表され、TOB価格1,220円で上場廃止になりました。暴落の底で買った株が、思わぬ形で締めくくられた例です。
※この間の株式分割等は未調整の概算です。また、当時は特定口座で購入した分をその後NISAで買い直しているため、口座上の含み益とは一致しません。
実録③:2026年・中東情勢——買い増しでキャッシュが尽きた
今年の中東情勢の悪化による下落でも、方針は同じでした。高配当株を全体的に買い増しています。
ただ、今回は正直な反省もあります。この買い増しで、投資用のキャッシュがほぼなくなりました。
暴落は一度で終わるとは限りません。二番底が来たときに買う余力を残しておくのがセオリーですが、私は今回それを使い切りました。次の下落が来ても、しばらくは「見ているだけ」になります。買い増し戦略は、弾(現金)の管理とセットでないと続かない——3回目にして得た教訓です。
なお、ここで言う投資用キャッシュは生活防衛資金とは別枠です。最低でも生活費6ヶ月分の現金には、暴落時でも一切手をつけません。
その間、投資信託は「何もしなかった」
3回の暴落を通じて、NISAのインデックス投資信託は、売却も積立金額の変更も一度もしていません。
何もしなかった結果がどうなったかは、数字が示してくれています。
- 旧つみたてNISA:元本102.5万円 → 228.6万円(2023年末から追加なしの放置)
- 児童手当のS&P500積立:2025年4月の下落中も自動買付を止めず、+30.19%。下落時に安く買えた口数が、回復局面でリターンを押し上げました
積立を「自動」にしてあるのが効いています。暴落のニュースを見てから「今月は積立を減らそうか」と考える余地自体をなくしておく。積立の全自動化は、暴落対策でもあるのです。
なぜ暴落時に買えるのか:勇気ではなく段取り
「暴落時に買うのは怖くないのか」と聞かれれば、毎回怖いです。それでも動けるのは、勇気があるからではなく、事前の段取りで判断を減らしてあるからだと思っています。
- 生活防衛資金が別にある——最悪、投資分が半分になっても生活は壊れない
- 買う銘柄を先に決めてある——暴落してから探すのではなく、ウォッチリストの銘柄が「セール価格」になるのを待つ
- インデックスは自動化してある——判断の必要がそもそもない
- 財務優良な銘柄しか持っていない——「この会社は暴落で潰れない」と思えるものだけなら、下落は割安化を意味する
逆に言うと、この土台がないまま「暴落はチャンス」という言葉だけ真似するのは危険です。下がっている株がさらに下がることは普通にありますし、私のセントケアのような幸運な結末が約束されているわけでもありません。
まとめ:暴落が来る前に、行動を決めておく
- 私のルールは2つ:インデックスは何もしない・高配当株は買い増す
- 2024年8月5日(日経−12.4%):J-REIT・NTT・ispaceを購入。仕事が忙しくて株価を見られず、「いつの間にか戻った」
- 2025年4月・関税ショック:底の1週間で9銘柄・約34万円を買い増し → 概算で約1.5倍に
- 2026年・中東情勢:買い増しでキャッシュが枯渇。買い増しは弾の管理とセットが教訓
- 投資信託は3回とも売却ゼロ・減額ゼロ。自動化が狼狽売りを防いでくれた
暴落のさなかに冷静な判断はできません。だからこそ、平時のいまのうちに「下がったら自分はどうするか」を決めておく——それがこの記事で一番伝えたいことです。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 暴落したら投資信託は売るべきですか?
私は3回の暴落で一度も売っていませんし、積立金額も変えていません。長期のインデックス投資は「下落時も買い続けることで安く口数を仕込める」仕組みなので、途中で売ると損失を確定させるだけになりがちです。実際、下落中も自動買付を止めなかった児童手当のS&P500積立は+30.19%になっています。
Q2. 暴落時の買い増しは初心者にもおすすめですか?
高配当株は、暴落時にこそ買うべきだと考えています。それは初心者でも同じです。財務優良な銘柄を割安に仕込める機会は、市場が恐怖で売られる局面にしか来ないからです。ただし前提として、生活防衛資金を投資と分けて確保しておくこと、そして下落してから慌てて銘柄を探すのではなく、平時から「安くなったら買いたい」財務優良銘柄のリストを作っておくことが必要です。買う銘柄さえ決めてあれば、暴落時にやることは淡々と注文を入れるだけになります。
Q3. どうやって「底」で買えたのですか?
狙って底を当てたわけではありません。2025年4月の場合、大きく下がった日(4月7日)に、以前から決めてあった銘柄へ淡々と注文を入れたら、結果的にそこが底に近かっただけです。底を当てることは誰にもできない前提で、「大きく下がったら決めてある銘柄を買う」というルールだけ守っています。
Q4. 暴落時に買った株が、さらに下がったらどうしますか?
財務優良で減配リスクが低いと判断した銘柄しか買っていないので、さらに下がっても保有を続け、余力があれば追加します。株価が戻らなくても配当を受け取り続けられることが、高配当株投資の心理的な支えになっています。ただし2026年の中東情勢では買い増しでキャッシュを使い切ってしまい、余力管理の甘さを反省しました。
Q5. 暴落中は株価をこまめにチェックしたほうがいいですか?
私の経験では逆でした。2024年8月の暴落時は仕事が忙しくて株価をほとんど見られず、気づいたら戻っていました。張り付いて見ているほど恐怖が増して、狼狽売りのリスクが上がると感じます。やることを事前に決めてあれば、見る必要があるのは「注文を入れる一瞬」だけです。
Q6. 暴落に備えて現金はどれくらい持っておくべきですか?
まず生活防衛資金として、最低でも生活費6ヶ月分は投資と完全に分けて確保しておきたいところです。「3ヶ月分」という目安も見かけますが、暴落は収入減(不況・失業)と重なることがあるため、私は6ヶ月分でも少し心もとないと感じています。そのうえで、買い増し用の投資キャッシュを別に持つなら、一度の暴落で全部使わないことをおすすめします。私は2026年の下落で使い切ってしまい、二番底が来ても動けない状態を経験しました。分割して投入する設計にしておくべきだったというのが反省です。
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※本記事は運営者個人の売買記録と体験の共有であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。騰落率は2026年7月16日終値ベースの概算(株式分割等は未調整)です。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。詳細は免責事項をご確認ください。